認知症はその症状や原因となる病気でいろいろな種類に分けられます。この項目では頻度の高い認知症について、病気がどのように起こってくるか、また病気の特徴について簡単に説明します。
アルツハイマー型認知症
(原因)
脳にβアミロイド、リン酸化タウという物質が長い時間をかけて蓄積し、徐々に神経細胞が死滅することで生じます。日本の認知症高齢者の原因として最も多く、半数以上を占めています。
(特徴)
- もの忘れが目立つことが多い
- 何度も同じ事を言ったり聞いたりする
- お金の計算ができなくなる
- 慣れている道でも迷ってしまう
- 徐々に悪化する
レビー小体型認知症
(原因)
脳にαシヌクレインという物質が蓄積して発症します。
(特徴)
- ありありとした幻視(実際にはないはずのものが見える)
- 転びやすい、歩きにくい(パーキンソン症状)
- 1日の中でも良いときと悪いときがある
- 寝相が悪い、寝言が大きい
※どの症状が目立つかは人によって違います
血管性認知症
(原因)
脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血・くも膜下出血)することで神経細胞が壊れて発症します。
(特徴)
- 神経細胞が壊れた場所によって症状が異なる
- 麻痺を伴うことがある
- 脳出血や脳梗塞が起きる度に悪化するため、階段状に悪化する
前頭側頭葉変性症(ぜんとうそくとうようへんせいしょう)
(原因)
脳の前頭葉や側頭葉で徐々に神経細胞が死滅することで発症します。前頭葉(特に前頭前野)が主に障害を受けると人格や行動の変化が見られ行動変容型前頭側頭型認知症と診断されます。逆に側頭葉が主に障害を受けると言葉の障害が初期から目立ち、進行性非流暢性失語や意味性認知症と診断されます。
(共通の特徴)
(行動変容型前頭側頭型認知症(bvFTD)の特徴)
- 抑制がきかなくなる、マイペースになる
- 同じ行動をくりかえす
(意味性認知症(SD)の特徴)
- 言葉の意味を忘れてしまう(猫って何ですか?など)
- 「七夕」を「ななゆう」、「海老」を「かいろう」と読むなど熟語の読みが難しい
- 復唱はできる
(進行性非流暢性失語症(PNFA)の特徴)